2023.07.04

日付変更線

日付け変更線は何本あるでしょう?

通常 “日付変更線” と呼ばれている線は太平洋上の軽度180度あたりにある “国際日付変更線” だけなので「1本」が正解で良いでしょう。この “国際日付変更線” を西から東に超えたときには日付を1日戻します。

ただ「東西で日付が変わる境界線」線を日付変更線と呼ぶのであれば、”国際日付変更線” の他に自明な日付変更線がもうひとつあります。それは「23時のタイムゾーンと翌日0時のタイムゾーンとを分ける線」です。この線を西から東に超えたときは国際日付変更線とは逆に、日付を1日進めることになります。
タイムゾーンは1時間ごとに地球の時点と逆方向(東半球だと東から西へ、西半球だと西から東へ)に動くので、この日付変更線も1時間ごとに地球の自転と逆の方向に、経度にして15度(= 360/24)だけ移動し、1日かけて地球を1周しています。この「動く日付変更線」も数に入れれば正解は「2本」となります。

子供の頃に誰もが思った
「ものすごいスピードで地球を何周もして日付変更線を何度も超えたら日付が何日も進んだり戻ったりするの?」
という疑問に対する答えも、この「動く日付変更線」のことを思い出せばはっきりと「いいえ」と答えることができます。たとえば地球の自転と逆方向に回った場合、「国際日付変更線を超えたときに1日戻るけど、動く日付変更線を超えたときに1日進むからそんなことは起きない」からです。どんなに速く何周回っても進んで戻るだけなので日付は変わりません。

もっと細かい話をすると、1日の中でこの2つの日付変更線が重なる時間が1時間あります。そこまで考えると最初の質問に対する答えは「1日のうち23時間は2本、残りの1時間は1本」となります。もっと細かい話をするとタイムゾーンを半時間ずらすエリアがあったり、季節によってサマータイムに切り替わったり戻したりするエリアもあります。そこまで考慮すると、この質問の答えはもっとややこしいことになりそうです。

プログラム開発ではこのような日付の変更を考慮することはあまりありませんが、標準時とローカルタイム(プログラムを利用している場所での時刻)の時差にはいつも悩まされます。利用者の方々には自然に見えるようローカルタイムに変換しますが、プログラムが読み書きするデータは原則として標準時を使うためです。

(担当:六度七分)