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製品ガイド

PRODUCT GUIDE

2025.11.20
100dBに迫る強騒音下でコネクタの「種類」識別に成功

この度、当社の嵌合音判定システム「エスカレイド ボウル」において、超広帯域マイク(最大192kHz)を新たに応用し、100dBに迫る強烈な工場騒音の環境下でも、自動車用コネクタの微細な嵌合音を正確に検知する実証実験に成功しました。
さらに、従来のマイク(44.1kHz)では高騒音下において識別精度を維持することが難しかった、複数種のコネクタの「音の違い」もAIが正確に識別できることを確認しました。これにより、製造ラインにおけるポカヨケ(ヒューマンエラー防止)や異品混入の防止に大きく貢献します。

背景と課題

従来の製造現場、特に複数の機械が同時に稼働している製造ラインでは、環境騒音値が100dB近くに達することも珍しくありません。
こうした強騒音環境下では、自動車用コネクタが「カチッ」と鳴るような微小な嵌合音は、周囲のノイズに完全に埋もれてしまいます。従来のマイク(44.1kHz帯域)でもAIによる判定は可能でしたが、騒音値が高くなるにつれてノイズの影響を分離しきれず、判定精度を安定させることが困難であり、半嵌合(ハーフコネクテッド)の流出を防ぐための、安定した品質保証の実現が大きな課題となっていました。

判定結果

実証実験では、100dBに迫る騒音を再生した環境下で、自動車用コネクタの嵌合判定を実施しました。
その結果、騒音に影響されることなく嵌合の成功/失敗を高精度で検知できただけでなく、従来のマイクでは高騒音時に識別が難しかった、音の特徴が微妙に異なる複数のコネクタの嵌合音を、AIが正確に識別・分類できることを確認しました。
これにより、嵌合漏れの防止だけでなく、類似する別部品の組み付け(異品混入)をリアルタイムで検知する、高度な品質保証ソリューションとしての活用が期待されます。

デモ動画で見るリアルタイム判定

実際の判定の様子を動画でご覧いただけます。騒音下で、作業者が3種類のコネクタ嵌合を行い、それぞれのコネクタを音で聞き分けている様子が確認できます。