自転車通勤
自転車通勤を初めてもう20年くらいたっているだろうか。
片道10km余り。雨の日は乗らない、暑い日は乗らない。お尻が痛くなったら乗らない。寒くなれば乗らない。怠慢ツーキニストだ。
道のりの半分はサイクリングロード。ここは、交差点もなくすいすい走れる。その後は裏道を選んでのんびりぎこぎこと走る。
もちろん事故をするわけにはいかないし、加齢臭が気になる年齢となっては汗を極力かくわけにもいかないわけだ。
のんびりと30分余りで会社に到着。デスクワークの身としては、数少ない運動時間だ。
自転車通勤をするのは、お金も少々浮くというのもあるが、なんといっても今は体調のバロメータを知ることだ。
2年ほど前のある日から通勤路のゆるやかな坂道が一気に登れなくなる。
息が切れてしまうのだ。はあはあゼイゼイそんなに大した坂でなかったはずなのに。
コロナがまん延していた時期だから絶対コロナだと思った。何日か悩んだ末、会社の近くの呼吸器科に行ってみたが、問題ないと追い返されてしまった。
とぼとぼと病院を出たがやっぱりおかしいと思ったので引き返して循環器科へ。24時間心電図をつけて次の日に再び行ったら結果をみて即入院+即手術。危ない危ない。
心の臓の血管が詰まりかけているのだと、カテーテルでステントをいれてもらった。自転車通勤のおかげて一命をとりとめたわけだ。
最近、新しい自転車を手に入れた。イギリス製の折り畳み自転車「ブロンプトン」。自転車にしてはちょっとお高め。長年欲しかったし自転車通勤を続けてきた自分へのプレゼントとしては悪くない選択。
折り畳みは慣れれば30秒くらい。小さなコロがついているので、コロコロと転がすことができるし、袋をかぶせれば、スーツケースくらいのサイズで、電車やバスにも乗せることができる。帰りに雨になったら輪行して帰ればいいわけだ。
職場のビルの入り口まで乗ってきて、そこで折り畳み、そして職場の片隅に鎮座させてもらっている。折りたたまれて機械が「みっしり」詰まっているところが、職人技が詰まっているみたいでとてもかっこいい。その待っている姿を見るたびに、にやにやして仕事へのモチベーションもアップというわけだ。
今日もまた、ブロと一緒に因縁の坂道を一気に駆け上り会社にやってきた。気温は高いし家を出るのが遅かったしで少し飛ばしので汗をかいてしまった。
心の臓はとりあえずは問題なかった。汗かいたなあ。加齢臭してないかなあ。ひやひやしながら、こっそりと自席に向かうのであった。
(担当:ぺた)